薄毛改善効果なしは育毛剤のせいではない!正しい治療方法はどれだ!?
1種類の育毛剤を使って効果なし、2種類目もダメ。そして、3種類目の育毛剤でも薄毛改善効果を得ることができないとなると、育毛剤って本当に効くの?と、疑心暗鬼になってしまいますよね。
ですが、薄毛改善効果なしを育毛剤のせいにする前に、あなたの薄毛の状態を、もう一度冷静に観察してみてください。その薄毛は部分的に起っているものでしょうか?それとも、額の生え際や頭頂部がなんとなく薄いという状態でしょうか?
薄毛にはさまざまなパターンがあり、育毛剤ではなく、専門的な治療が必要になる薄毛があります。
薄毛にはさまざまな種類があります
薄毛の種類はいくつかに分類され、それぞれに異なった原因によって起こります。
円形脱毛症
頭皮の一部分あるいは数カ所に、円形状の薄毛ができる状態です。円形脱毛症は、精神的・肉体的なストレスによって一時的に現れたり、怪我や手術痕によって現れることがあります。また、体内で免疫異常が起こって現れることも。
円形脱毛症は、頭皮の1~2カ所にポツンとできる「単発型」、頭皮の3カ所以上にできる「多発型」、頭部全体の髪が抜ける「全頭型」、頭部や眉毛、体毛が抜ける「汎発型」に分類されています。
この脱毛症は、育毛剤での改善が難しいと考えられますので、美容外科クリニックなどの医療機関で専門的な治療を受けることが望ましいといえるでしょう。
病理的な脱毛症
以下の病気が引き金となって、脱毛症が起こることがあります。
アトピー性皮膚炎アトピー性皮膚炎は、何らかのアレルゲンが引き起こす皮膚疾患です。アトピー性皮膚炎を発症した方の40%前後の方が、円形脱毛症の症状を訴えているといいます。
ご家族にアレルギー体質の方がいてご自身に円形脱毛症の症状が現れたのであれば、アトピー性皮膚炎の疑いがありますので、直ちに医療機関でアレルギー検査を受けましょう。アトピー性皮膚炎による脱毛症だと判明した場合、育毛剤ではなく、ステロイド剤による治療がおこなわれます。
糖尿病糖尿病を発症すると血管に異常が起こることがあり、頭皮への栄養供給が遅れて脱毛症になることがあります。糖尿病による脱毛症は、全体的に髪が薄くなるのが特徴です。
また、糖尿病による薄毛は、育毛剤の使用で改善されることもあるようですが、服用タイプの育毛剤を使用することはできません。外用タイプの育毛剤は、美容外科クリニックで処方を受けることができます。
甲状腺疾患甲状腺ホルモンの過剰分泌により、薄毛が起こることがあります。頭皮に痒みがある、口が乾きやすい、不眠、不整脈、イライラすることが多いなどの症状とともに薄毛が起こったのであれば、ひとまず甲状腺異常を疑う必要がありますので、医療機関で検査を受けてみましょう。
また、甲状腺疾患が原因で起こった薄毛は、ヘアサイクルを整えることがいちばんの解決策です。病気の治療をおこないつつ、アミノ酸のシャンプーや育毛剤を使用してみるといいでしょう。
その後に薄毛が改善されないのであれば、美容外科クリニックでの治療を検討してください。
膠原病筋肉や臓器、関節、血管など、体中のあらゆる部分に不調が起こる病気を総称して、膠原病と呼びます。膠原病の詳しい原因については、現在までにはっきりと解明されていませんが、この病気の発症と同時に、膠原病性脱毛症を併発することがあるでしょう。
膠原病が原因で起こる薄毛は育毛剤で対応することが難しいと考えられています。自己判断で育毛剤を使用するのではなく、美容外科クリニックの医師に相談し、適切な治療を受けることが望ましいでしょう。
薬の服用抗ガン剤や脂質異常症により、脱毛症が起こることがあります。薬の影響を受けた脱毛症であれば、薬の服用を中止すると自然に改善されていくはずです。
脂漏性(しろうせい)脱毛症
シャンプーしても頭皮がベタベタする、皮脂が混じったような脂っぽい大きなフケが出るなどの症状とともに薄毛が起こったのであれば、脂漏性皮膚炎による脂漏性脱毛症の疑いがあります。
この脱毛症は、育毛剤を使用すると悪化することがありますので、育毛剤は使用せずに、頭皮を清潔に保ったうえで油分が多い食品の摂取を控えてみましょう。これで改善しないのであれば、皮膚科や美容外科クリニックに相談してみることをおすすめします。
AGA(男性型脱毛症)
男性特有の薄毛であるAGAは、遺伝やホルモンバランスの崩れが原因となって起こります。この脱毛症は進行性であり、放置しておくと症状が悪化してしまうでしょう。
また、AGAは自然治癒することがありません。そのため、現在の状態を改善するためには、美容外科クリニックで専門的な治療を受ける必要があります。
薄毛の進行パターンについて
その薄毛がAGAによるものであれば、いくつかの進行パターンに分類されていますので、まずはご自身でセルフチェックしてみてください。
最もよく知られているのは、「ハミルトン・ノーウッド分類」です。この進行パターンでは、薄毛を9段階のステージに分類しています。
Ⅰ型初期のAGAで、額の生え際がやや後退し始めた状態です。薄毛がほとんど目立ちませんので、本人ですら気がつかないこともあります。
Ⅱ型Ⅰ型がやや進行した状態です。この段階になると、ぼちぼち薄毛の自覚が出てきます。
Ⅱ Vertex型Ⅱ型がさらに進行し、頭頂部にO型の薄毛が現れ始めている状態です。
Ⅲ型Ⅱ型が進行し、額の生え際がM字またはU字に後退した状態です。
Ⅲ Vertex型Ⅲ型の状態に加え、頭頂部にO型の薄毛が現れ始めている状態です。
Ⅳ型Ⅲ型の生え際がさらに後退、頭頂部に現れたO字が目立ってきた状態です。
Ⅴ型Ⅳ型がさらに進行し、生え際のM字またはU字が頭頂部のO型とつながる一歩手前の状態です。
Ⅵ型生え際のM字またはU字が頭頂部のO型がつながった状態です。
Ⅶ型Ⅵ型に加え、側頭部にも薄毛が見られる状態です。
これが、目安となるAGAの進行パターンです。
これらは、まったくこの順番通りに進行するわけではありませんが、額の生え際の後退や、頭頂部のO字が気になり始めたら、ひとまずAGAを疑う必要があるでしょう。
AGAは若年層にも忍び寄る!
AGAという言葉から連想されるのは、中高年の男性というイメージです。ですが、AGAは若年層でも症状が現れることがあり、これを若年性脱毛症と呼びます。
では、AGAが起こりやすいといわれているのは、何歳くらいからなのでしょうか?これには個人差がありますが、AGAの遺伝子を受け継いだ方の場合、30歳前後からその兆候が現れ始めると考えられています。
AGAは、ジヒドロテストステロンという悪玉男性ホルモンが元凶となって起こるものです。そしてこのジヒドロテストステロンの生成には、5αリダクターゼという酵素が大きく関係しています。
つまり、どの年代であっても、5αリダクターゼの体内量が多い遺伝子を受け継いでいれば、そうでない方よりもAGAが起こる確率が高いということです。近年では、10代の方であってもAGAの兆候がみられることがあり、10代~30代で起こるAGAは若年性脱毛症、40代以降に起こるAGAは壮年性脱毛症として分類されています。
そして、ここで注意していただきたいのは、10代や20代の方の場合、受験勉強や新社会人として生活するなかで受けたストレスなどによって頭皮に血行不良が起き、一時的に薄毛になっている可能性があるということです。
もちろん、男性に起こる薄毛がすべてAGAだとは限りません。しかし、若年層で薄毛が気になるという方は、ひとまず市販の育毛剤で頭皮マッサージをおこない、様子をみるという方法がおすすめです。
また、祖父や父親にAGAが起こっているのであればAGA遺伝子を受け継いでいる可能性が否めません。美容外科クリニックでAGA遺伝子検査を受けてみるといいでしょう。
ただし、10代の方の場合、ここでAGA遺伝子を受け継いでいることがわかっても年齢的にまだホルモンバランスが安定していませんので、治療を受けるのであれば成人するまで待つ必要があります。
AGAを改善するには?
あなたが現在成人をしていて、なおかつAGAの疑いがあるのであれば、美容外科クリニックでカウンセリングを受けてみることをおすすめします。AGA治療には以下の種類があり、医師の判断によって適切な治療の案内があるはずです。
今すぐにAGA治療を受ける必要はなくても、どのような治療方法があるのか知っておくことによって、いざというときになって慌てずに済むでしょう。
育毛剤(医薬品)
発毛・育毛有効成分として知られている、ミノキシジルを配合した外用タイプの育毛剤で薄毛を改善していく方法です。美容外科クリニックでは、ミノキシジル配合のロゲイン、またはロゲインのジェネリックであるカークランドという育毛剤の取り扱いがあります。
まずは外部からケアをしてみたいという方は、カウンセリングを受けたのちに、この育毛剤を処方してもらうといいでしょう。
内服薬
美容外科クリニックでは、フィナステリド配合内服薬、デュタステリド配合内服薬、ミノキシジル配合内服薬の取り扱いがあります。
これらの内服薬は、それぞれに異なった作用を持っていますので、まずはどのような違いがあるのか知っておきましょう。
種類別・内服薬の特徴と効果
フィナステリド配合内服薬5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、ジヒドロテストステロンの生成にかかわるのはⅡ型であるといわれています。フィナステリドには、Ⅱ型の5αリダクターゼの働きを阻害する作用があり、AGA改善効果を期待することができるという仕組みです。
ただし、この内服薬には、性欲減退、EDなどの副作用のリスクがあり、また、経皮で体内に侵入する性質を持っているため、女性が触れることは禁忌となっています。
デュタステリド配合内服薬5αリダクターゼの働きを阻害する力が、フィナステリドよりもさらに高いといわれているのがデュタステリドです。
この内服薬もまた、フィナステリド配合内服薬と同様のAGA改善効果見込むことができますが、フィナステリド配合内服薬と同様の副作用や禁忌事項がありますので、服用に際しては確実に医師の指示に従わなければなりません。
ミノキシジル配合内服薬髪を作り出す毛包部分に作用し、髪の主成分であるケラチンの合成や細胞の増殖効果を期待できる内服薬です。
ミノキシジルには発毛効果を期待することができますが、低血圧や動悸・息切れ、不整脈、多毛症などの副作用が現れる可能性があり、服用に際しては注意する必要があります。また、ミノキシジルはもともと血圧降下剤として用いられてきた成分ですので、現在血圧改善薬を服用中の方は、服用することができません。
さらに、心臓疾患をお持ちの方も服用することができませんので、詳細については、美容外科クリニックの医師に直接確認してみるといいでしょう。
植毛
人工毛または自毛を植毛する方法です。この方法には好きなだけ髪を増やすことができるというメリットがありますが、人工毛の場合はアレルギーのリスク、自毛の場合では、完全に定着しない可能性があるというリスクがあります。
そのため植毛は、毛根が完全に死滅して、育毛剤や内服薬では対応することができないときの最後の砦として考えておくといいでしょう。
育毛メソセラピー
育毛に必要な成分を、頭皮から直接毛根部分に送り届ける方法です。この治療は、注射器で成分を注入し、レーザーや特殊なローラーなどで成分を浸透させますので、合理的なAGA治療だといえるでしょう。
副作用の報告は見当たりませんので、安全性が高い治療であると判断することができます。
HARG療法
育毛メソセラピーとよく似ている治療法ですが、HARG療法の場合、ヒト由来の幹細胞から抽出した成長因子を頭皮に注入するため、より合理的なAGA改善効果を期待することができます。
この治療は、注射器を用いる方法とそうでない方法がありますので、注射が苦手な方は、注射器を用いないHARG療法を利用できるクリニックを探しましょう。また、HARG療法にはヒト由来成分が使用されますので、アレルギーや副作用の心配はないと考えられているため、ほとんどの方にお受けいただける治療法となっています。
確実性を狙うならHARG療法で!
内服薬でもAGAを改善することはできますが、アレルギーや副作用の不安をせず薄毛治療をしたいなら、HARG療法がおすすめです。
育毛メソセラピーでもAGAを改善することができますが、育毛メソセラピーには成長因子が含まれていません。このことからも、より合理的かつ確実性を狙うのであれば、HARG療法を検討してみることをおすすめします。
おわりに
薄毛が起こると、即座にAGA!?と慌ててしまう方がいますが、男性に起こる薄毛のすべてがAGAだとは限りません。この部分については素人では判断がつかないので、怪しいと感じたのであれば、まずは美容外科クリニックでカウンセリングを受けてみましょう。
また、若年層の方の場合、ストレスなどによって一時的に薄毛が起こっていることも考えられます。自己判断で育毛剤を使用する前に、AGA遺伝子検査を受けてみて、それがAGAなのかどうか確認しておくことが望ましいでしょう。
AGAは、症状に合った治療を受けることによって改善効果を見込むことができます。これはもしかするとAGA?と感じているのであれば、ひとまず美容外科クリニックでカウンセリングを受けてみてくださいね。
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